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【漫画】アクメツ/脚本:田畑由秋 作画:余湖裕輝

アクメツ 1 (少年チャンピオン・コミックス)アクメツ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
(2003/02/06)
田畑 由秋

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日本の悪を皆殺し!!!
経済不況、役人天国、天下り・・・・・・こんな日本に誰がした!!
他のヤツらがやらないならば 日本にはびこる悪党どもを 1人残らず皆殺しだ
史上最悪のヒーロー、アクメツが
日本の悪を殺って殺って殺りまくる!!!
(1巻単行本裏表紙より)



長年にわたり、コンビで多くの傑作を世に送り出している田畑由秋/余湖裕輝両氏の作品です。上記の紹介文からもお分かりの通り、「よくコレが少年チャンピオンに載せられたな!?」というくらいに異端な作品です。だからといって、ストーリーの辻褄が合わなかったり荒唐無稽だったりするわけではないのが本作の凄いところ。
デビルマンと同じく、好きな漫画を挙げろと言われたら五指に入る作品です。そもそも5つに絞るのがものすごく難しいですが。正直に言って、この作品のレビューをしたいがためにブログを始めたようなものです。

レビューが長くなりましたので格納します。追記からご覧下さいね。

ある日、高校3年生の長澤詩菜は高級ホテルの一室にいた。そこには詩菜と同じく、実家の負債のために働かざるを得なくなった女子高生が集められ、財務省の高級官僚や天下りを終えた元役人たちの慰み者にされようとしていた。
「数千万クラスの負債を背負った零細企業の娘ども 親に金で売られた売女 この・・・下等日本人共がっ」
役人たちの言葉に、詩菜の人間としての最後の尊厳が砕け散りそうになった時であった。

「この赤ワイン 血税の味がするじゃん」

そこには奇妙な仮面を付けた男がいた。
男は役人たちを容赦なく拳銃で撃ち抜き、一瞬で部屋を阿鼻叫喚の渦へと陥れる。そして今回のパーティーの主役・大都銀行相談役の岩崎に対して問いかけた。
「さぁ最初の質問だ 1000万円で人は死にますか? 3丁目の藤井さんはあんたんとこの大都銀行が1000万融資してくれなかったせいで 資材仕入れられなくて倒産 首吊って死んじゃった そう! 人は死ぬんだよ!!1000万でっ!!!」
「2問めだ あんたが着服したお金は誰のお金でしょうか? 正解ぃ 税金ってのは国民のものじゃん あんたの物じゃな~い」
「第3問 3億円で何人国民が助かるでしょうか 答えは藤井さんの話からすると3億÷1000万・・・30人は助かるじゃん って事は30人殺したってことになるよなあ やっぱ悪だな 死が妥当じゃん」

自説を朗々と述べた男は最後の質問を行う。

「この世にいる悪人が全て死んだら 世界は平和になるでしょうか?」

そんなことは不可能だ。その場にいた全員が分かっていた。命の危機にさらされた岩崎は必死に叫ぶ。一銀行役員の自分程度で悪人と言ったらどうなる、何人殺してもきりがない、と。しかし男は揺らがない。

「だからよぉそいつらも殺す この俺が悪を一掃する
 悪を滅び去る者 そう・・・
 アクメツだぁああっ」


自らをアクメツと名乗ったその男が振り下ろした斧によって、岩崎の頭蓋は砕け散った。その一部始終を間近で見ていた詩菜は震えていた。恐怖のためではない。アクメツの声、それは詩菜のクラスメイトにして片思いの相手、明るいみんなの人気者・迫間生(はざま しょう)のものだった・・・
そこに警察が到着する。死体を引きずったままのアクメツに対して発砲すると、辺りが閃光と爆音に包まれた。―そしてアクメツこと迫間生は、詩菜の目の前でその体を爆発させて死んだ。

翌日、失意の中で詩菜が登校すると、そこには生がいた。一体生は何者なのか?昨日のアクメツは何だったのか?何をしようとしているのか?何故そんな事をするのか?詩菜は事情を理解できないが、これは日本全土を巻き込むアクメツ騒動の序章に過ぎなかった。人に迷惑を掛けて省みない犯罪者を、それを取り締まらない警察を、財界と癒着する高級官僚を、国の財産を我が物とする国会議員を、次々現れる生と同じ顔をしたアクメツが粛清していく。
しかしアクメツにはルールがあった。それは「殺人」という悪を犯した自分自身をも裁くこと。警察やSPに何人のアクメツが殺されようと、狙ったターゲットを必ず殺し、そして自分も死ぬ。まさに「一人一殺」ならぬ「多人一殺」を信条とするアクメツに対し、世論も動いてゆく。

アクメツの正体は何なのか。正義とは、悪とは何か。そしてアクメツが席巻する日本はどうなるのか。



全18巻にわたるストーリーですが、疾走感と各エピソードの濃さが中だるみを感じさせません。その点で、一気読みに最適な作品といえるでしょう。また、説明だけ見ると政治的にかなり偏った印象を受ける方も多いかと思いますが、他ならぬアクメツ本人が認めるように、本作ではアクメツを「悪」としており、辛うじて少年誌に許されるライン内に踏みとどまっているところです。ただ、流石に描写の限界があるらしく、規制されているページもありましたが。

では何故、本作は青年誌で連載しなかったのでしょうか?本当の事情は分かりかねますが、個人的には、やはり「アクメツは(その善悪は別として)ヒーローだから」だと思います。やり口がエキセントリックであろうと、惨い手段で標的を惨殺しようと、総理大臣に脅しを掛けようと、アクメツの目的は「悪を殺す」で一貫しており、そのためには文字通り自己犠牲も厭わず、罪の無い人間ならばたとえ銃口を向けてきても殺しません。ヒロイン・詩菜も一高校生・生の身を案じる立ち位置として欠かせない存在ですが、彼女の制止を聞いても彼の決意は1ミリも揺るがず、信念を貫き続けます。これをヒーローと言わずして何と形容するのでしょうか?

そして、彼の成敗っぷりは、間違いなく漫画におけるエンターテイメントといえるでしょう。銃殺刺殺殴殺はいたって普通、高層ビルからターゲットと一緒に転落、足に錘をつけてターゲットもろとも海に沈む、テレビの生放送をジャック、不正の証拠たる機密文書を賭けてのカーチェイス、28人のアクメツ同時出現など、読者を驚かせ興奮させる展開をしっかりと押さえてきます。だからこそ、本作は紛れも無い少年漫画なのです。


さて、悪のヒーローが徹頭徹尾ポリシーを貫いて戦う姿、その描写は残虐ではありますが、爽快感とスピード感に溢れ、アクメツの目的・出生の秘密・そしてその顛末まできっちりと伏線を回収して完結させた見事なストーリーは一読の価値ありです。後半の巻は入手が難しいかもしれませんが、探す価値はありますよ。是非ご覧になってみて下さい。

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