しげくまにっき

漫画などのご紹介をしようと思います

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【漫画】デビルマンG(グリモワール)/原作:永井豪 作画:高遠るい

デビルマンG 1 (チャンピオンREDコミックス)デビルマンG 1 (チャンピオンREDコミックス)
(2012/09/20)
永井 豪、高遠 るい 他

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悪魔族に憑依されても 人の心を失うことなく
悪魔の力を持った人間として悪魔と戦う者!!
祝福してやろうじゃないか!?
ハッピーバースデイ・・・悪魔人間!!!!
(第3巻より)





かなり久々の更新となった今回は、新生デビルマンにして、別作者によるデビルマン作品としては過去最高(個人的に)の「デビルマンG(グリモワール)」をご紹介します。


作者の高遠るい氏曰く、
「『デビルマンG』が目指すのは、ヒロインを黙示録のための生贄に捧げたりしない、明るく楽しい物語である。『デビルマン』と同じ材料で全く別の味がする料理である。」(1巻作者コメントより)
とのこと。

実際に、永井豪の漫画版デビルマン(以下『原典』)にて惨い死に様を遂げたヒロイン・ミキは、本作では不動明の体に取り憑いた悪魔アモンをパートナーとして、逞しく戦いに身を投じていき、最前線で奮闘します。
訳も分からぬまま戦いに巻き込まれ、あっけなく残酷に殺されたミキの姿に心を痛め、その後の多くのデビルマン派生作品ではシレーヌにヒロイン・お色気担当の座を奪われたことに同情していたファンは、勇敢に頑張り死亡フラグを蹴散らすミキを見ることができて感慨もひとしおでしょう!私もです。


それ以外にも、僅か5巻で終了した原典ではあまり出番の無いまま死んでいき、多くの読者が「もっと見たかった」と感じていたであろうキャラクターの準レギュラー化や、アニメ版・映画版からの引用など、全体にわたり永井豪愛をひしひしと感じられる作品となっています。
シレーヌ・ジンメン・サイコジェニーなど作中で存在感を放った悪魔たちはしっかり登場し、原典リスペクトの展開の中に高遠エッセンスが加わったスピード感ある戦いが繰り広げられます。


この「高遠エッセンス」は、昭和の作品たるデビルマンを平成の世における新たな作品にする上で絶妙な働きをしています。私はその最たる例がキャラクター設定・デザインのアレンジにあると感じました。

まず、①主人公・不動明=悪魔・アモン について。
原典では、明少年にアモンが憑依した後も、メインの人格は不動明のままでした。それがゆえに、彼は人間の心を捨てられず、苦悶することになるわけです。しかし本作では、アモンの人格が完全に不動明を塗り替えており、文字通り「身も心も」悪魔と化しています。これはアニメ版に通ずるところ。

次に、②ヒロイン・ミキ について。
おそらく、彼女はもっとも「平成的」なキャラクターになったのではないでしょうか。もともと永井豪先生は「ハレンチ学園」などのお色気も大得意な方であることは周知の事実。その路線に萌え要素・厨二要素を加えた結果、本作でのミキは「自称『魔女』を名乗り魔女っ子コスプレで登校する痛い女子でありながら、友達の窮地には身を挺して戦おうとする心の強さを持ち、想い人・不動明が悪魔アモンに乗っ取られたことを知らぬまま、そのパートナーとして絆を深めていく」という属性山盛りの女の子になりました。
この「自称魔女」というアレンジはかなりのうまい設定だなあと思ったところです。原典と同じく、ミキは悪魔の世界など知らない、いわば一般市民なわけですが、オカルト好きの厨二病少女にしたことで、悪魔という概念・存在への適応の早さや戦いに参加する決意とその理由などの導入がかなりスムーズで無理のないものになったのではないかと。あと、単純にかわいい。

そして、 ③悪魔・シレーヌ について。
デビルマンG 2 (チャンピオンREDコミックス)デビルマンG 2 (チャンピオンREDコミックス)
(2013/02/20)
永井 豪

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その人気と知名度に対し、実は原典での登場話数や扱いは大して優遇されておらず、後の関連作品で追加設定が増えていったキャラクターです(高遠氏も同旨の発言を2巻で述べておられます)。
本作ではアモンと何度も交戦するも死なず、少女の姿を借りてストーリーの中核に関わってきます。なお、原典よりも青みがかったデザインについては、高遠氏曰く「体色を濃くすることで、白では出せない下品なエロさを追求しました」 とのこと。素晴らしい。

最後に、④不動明の親友・飛鳥了=サタン について。
デビルマンG 3 (チャンピオンREDコミックス)デビルマンG 3 (チャンピオンREDコミックス)
(2013/06/20)
永井 豪

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原典では、デビルマンという世界観そのものの根幹であり、原典の最終決戦の首謀者でもあったサタンは、飛鳥了として過ごすうちに不動明に対し親愛の情を覚えてしまい、それでも決別して戦う道を選んだキャラクターでした。友人としての頼もしさと格好良さ、正体の意外性とその神々しい姿、両性具有というエロティックな特性、不動明への愛と葛藤など、あまりにも多くの要素を持ちすぎていたために、彼がいるとストーリーを完全に喰ってしまうようです。(何かのインタビューで永井先生がそんなことを仰っていた気がする)
そうした理由から、高遠氏曰く、本作では飛鳥了・サタンは登場しない予定だったそうです。その結果、人間としての「飛鳥了」の姿は、ファンサービスとしてチョイ役の不良・火叢くんに受け継がれた・・・はずでした。
しかし、3巻中盤にて、飛鳥了の外見と、アモン(≒不動明)への同性愛的な執着というサタン的要素を多分に含んだ存在、艫舵ヒカルが現れ、「あれ?これサタンじゃないの?」と思わせます。ところが、これはニクスという別の悪魔でした。つまり、サタンの人間体の外見(悪魔時の外見はまったく別物)と、性格の一部を抽出したキャラクターを代打で登場させたということ・・・と思われました。
ところが遂に。艫舵ヒカル登場回が一件落着した直後の話で、サタン出てきちゃいました。しかも3巻表紙。さらに、1・2巻にはなかったキラキラ模様が印刷されてる。(予算の関係か、ラメやホログラム印刷ではなかったのが残念)
これは作者も予想外だったらしく、改めてサタンというキャラクターの存在感の強烈さを実感させられました。なお、本作におけるサタンは飛鳥了ではなく、あくまでも悪魔のうちの一人という扱いのため、不動明に対する特別な感情は一切なく、悪魔族のリーダーでもありません。それでもやはり、その見た目の華やかさや時空をも操る能力の強力さ、原典での被害者であるミキとの対決など、読者(特に原典を知っている人々)を興奮させるには十分といえます。


以上の4名以外にも、原典を読んだことがある方には是非一読して欲しい小ネタが満載の作品です。先に紹介している原典と併せてどうぞ。
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【漫画】光の大社員/ÖYSTER

光の大社員 1 (アクションコミックス)光の大社員 1 (アクションコミックス)
(2007/11/12)
OYSTER

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この輝戸光!!
社員の中において 最も光輝く
大社員となってみせるぞ!!
(第1巻裏表紙より)




久々の更新は4コマ漫画の紹介です。ÖYSTER先生の「光の大社員」、ギャグといえど激しいボケツッコミも無く、かといってシュールと一括りにしてしまうのもまた違う、「あ~なんかわかる!」と思わされる絶妙な間の取り方が魅力的な作品です。


4コマ漫画なのであらすじというよりは登場人物をご紹介します。

主人公・輝戸光はおもちゃ会社・アルクメの新入社員。彼は「社員の中でいちばん光輝く“大社員”を目指し、個性豊かな会社のメンバーと職場ライフを満喫するのであった。

 「輝戸君!!食べながらくうなよ!!」
「えっ!?」
「いや…つまり!!クチにモノをいれたまま 食べるなと言ったのさ!!」

「言い直したのに直ってないぞ 伊達勲!!」

ナルシストの割に庶民臭く「一人暮らしあるある」を連発する同期・伊達勲

「七夕の短冊書けた人ー」
「ハイ!!」
「光君!!これ願い事じゃないわ!!」
「たまき先輩 俺は神頼みはしません!!」
「これ見た神様は多分驚くわよ!!『オー・マイ・ゴッド!!』って」
「そして他の神様に『お前だよ!!』ってつっこまれるわけですね!!」

しっかりもののようで時々ズレている先輩OL・たまきさん

「質問すると『アウト』か『セーフ』か答えてくれる人形『答えてシンちゃン』!!」
「君はヒット商品になれるか!?」
『アウト!!』
「うわああよせよそんな質問!!」
「最近オクさんも子どもも冷たいのだが うまくやっていけるだろうか」
『ゲームセット!!』

家庭がうまくいっていないし社内での扱いもなんか杜撰・石原副部長

「『プリティ・ジミ子さん』!!この地味な娘に色々着せて『カッコいい女性』にする新世代着せ替え人形だ!!だが男性と女性の『カッコいい』は違う!!」
「ボクらが考えたらまちがえそうですね!!」
「さっそくの第一弾アイテムがこれだ!!『ジミ子ウイング』!!」
「おお!!さっそくまちがえたんですね!!」

売れなさそうな商品ばかり考案する男・宮代開発部主任

「さてこの中にまちがいはいくつあるでしょう?」
「あなたのような人が社長であること いっこ!」
「正解です!」

奇人変人を束ねるトップ・社長

「どうした輝戸君!!」
「忍者係長!!ちょっと屋根裏を見る必要がありまして」
「私が行こう!!」
「えっいいですよ」
「いいから!!」
(ククク…この感じ かなり忍者っぽいぞ!!………ぬうう 何をするのか聞くのを忘れた!!)

忍者に憧れる覆面男・忍者係長

などなど、強烈なキャラクターが多数登場します。


本作品では、登場人物がボケとツッコミに分かれる場合はもちろんのこと、全員ボケて読者がツッコミという立ち位置になることもしばしばあります。
そういったパターンは、往々にして「シュール系」とカテゴライズされがちではありますが、私見ながら本作はちょっと違う気がします。
得てして「シュール系」は言い換えれば「意味わからん」ことが多いのですが、この「光の大社員」は笑いどころがしっかり分かる作品となっています。
しかしながら、勢いとテンションでつっぱしるわけでもなく、「!!」と集中線を多用した強い語気と、それにそぐわず妙に淡々とした雰囲気を醸しだす起承転結が、本作の独特の魅力を生み出しています。

絵柄は濃すぎず薄すぎず、老若男女だれでもとっつきやすい画風が特徴のÖYSTER作品、この機会にぜひご一読を。

【漫画】スクール人魚/吉富昭仁

スクール人魚(1) (チャンピオンREDコミックス)スクール人魚(1) (チャンピオンREDコミックス)
(2013/04/19)
吉富昭仁

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私たちの学校には こんなウワサがある
夜中になると人魚が現れ・・・
その肉を食べると・・・ 恋が叶う
ウソじゃなかった・・・
人魚は・・・ 本当に現れた・・・! 
(1巻第2話より)





今回紹介するのは、やわらかそうな女の子を描くことに定評のある吉富昭仁氏の「スクール人魚」です。
タイトルだけ聞くとなんかお色気系の漫画のような響きですが、ジャンルでいえばこの作品はホラーに分類されるでしょう。
とはいえ、スクール水着の女の子が大量に登場するので、作者のフェチズム溢るる目の保養になる漫画であることもまた否定できません。スクール水着の「人魚」たちが密集する見開きは必見。


では、あらすじを見てみましょう。



とある学校には、昔からウワサがあった。
「夜になるとプールに人魚が現れる その人魚の肉を食べると 恋が叶う」

このウワサを聞きつけた少女たちは、深夜の学校に忍び込み呪文を唱える。
人魚さん 人魚さん お願いします
私の恋を叶えて下さい
私のために 血と肉を


そして現れた人魚は・・・自分達と同じ年端の少女の姿をしていた。
恋を叶えるためには、水着の胸元のゼッケンに想い人のイニシャルと同じアルファベットが記された人魚を捉え、その肉を食べる必要がある。  つまり、人魚を殺すしかない。

夜の学校内を自在に泳ぎ回る「人魚」とよばれる少女の姿をした何か。
少女達は刃物を手に、必死で人魚を追う。彼女達は、一刻も早く人魚を捕まえなければならない。
なぜなら、一度人魚を呼び出す呪文を唱えてしまった以上、その夜のうちに人魚を捕らえて肉を食べなければ、自分も人魚になってしまうから。こうして、恋を叶えられなかった少女がまた一人、学校の亡霊となってゆく。

自分の恋を叶えるために、友人を見捨て、他人を利用し、人魚を殺すことに何の躊躇も無い少女たち。
彼女たちは果たして恋を叶えるのか?それとも人魚になってしまうのか?




どうでしょうか。あらすじを読んでお分かりの通り、この作品において怖いのは人魚ではなく人間です。しかも女の子。どう見ても姿形は人間である「人魚」を本気で殺しにかかり、その肉を食らう少女の純粋な狂気がじわりと恐ろしい作品です。

この作品は「衝撃的な場面・展開を繋げることで読者を怖がらせる」タイプのホラーではなく、淡々と登場人物のエゴが露呈する様を描くタイプです。かといって起伏の無い展開にはならず、人魚を追うアクションシーンはスピード感のある展開になっており、人魚の謎が続きへの期待を高め、読者を飽きさせません。

そして何より、吉富氏の描く女の子の何と可愛らしいことか!これだけでも見る価値ありと言って過言ではありません。


ホラー=化け物に追われる、という構造を逆転させた「化け物を人間が追うホラー」、是非ご一読を。

【漫画】トラウマイスタ/中山敦支

※この記事には本編展開の重大なネタバレ要素がありますので、未読の方はご注意下さい。



トラウマイスタ 1 (1) (少年サンデーコミックス)トラウマイスタ 1 (1) (少年サンデーコミックス)
(2008/11/18)
中山 敦支

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トラウマは、逃げるためにあるのじゃなく、乗り越えるためにある。
乗り越えるための力こそ、勇気なのよ。
(第1話より)

穢れ無き少年少女の友情、実に美しき作品だ。
君はやはり人を魅了し夢中にさせる魂の持ち主だ。
おお、神よ。許し賜え。美しきものを破壊する行為を。
愚劣なる神よ。糞っ垂れの神よ。
バカで、マヌケで、ああ・・・クソアァーメン!!!!!
(第43話より)




現在ヤングジャンプで戦う漢女の漫画「ねじまきカギュー」を連載中の中山敦支氏が少年サンデーで連載していた作品です。
基本的には可愛らしいちょっとデフォルメチックな画風ですが、中山氏の最大の特徴は、心理描写における狂気的な演出でしょう。捻じ曲がり、崩壊し、ヒトの心情の根底の根底に眠る原初的な何かが溢れ出るような迫力を感じさせる筆致はデビュー当時から読者を圧倒します。
少年誌での連載に「トラウマ」という題材を起用したことからも、なんとなく氏の傾向が窺い知れる気もします。

さて、本作は全5巻で完結しており、1~3巻と4~5巻であまりにも方向性と話の重さが違うことで有名(?)な作品です。方向性の違い、と書きましたが、各巻の表紙を見れば歴然。上掲の1巻と、下に紹介する2~3巻は明るめの色合いにいかにも少年漫画といった体の表紙になっています。(1巻はちょっと恐いですが。)
▼2巻
トラウマイスタ 2 (少年サンデーコミックス)トラウマイスタ 2 (少年サンデーコミックス)
(2009/01/16)
中山 敦支

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▼3巻
トラウマイスタ 3 (少年サンデーコミックス)トラウマイスタ 3 (少年サンデーコミックス)
(2009/04/17)
中山 敦支

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ところが、4~5巻の表紙になると、もう明らかに雰囲気が違います。4巻は幼女の足の間から登場する変態、5巻は狂気を孕んだ主人公のドアップが強烈な色合いで描かれています。
▼4巻
トラウマイスタ 4 (少年サンデーコミックス)トラウマイスタ 4 (少年サンデーコミックス)
(2009/07/17)
中山 敦支

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▼5巻
トラウマイスタ 5 (少年サンデーコミックス)トラウマイスタ 5 (少年サンデーコミックス)
(2009/08/18)
中山 敦支

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では、何故このような劇的な変化があったのか?あらすじをご紹介します。



※本編の重大なネタバレを読んでも大丈夫な方は、「続きをよむ」からどうぞ。

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【漫画】マーズ/横山光輝

マーズ (1) (秋田文庫)マーズ (1) (秋田文庫)
(2000/09)
横山 光輝

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ぼくはね 地球人が恐ろしい破壊兵器を持つようになったら
ぼくの手で滅ぼすようにセットされた人間なんですよ
(1巻より)




「三国志」「バビル2世」などで知られる横山光輝氏のSF作品です。地球の運命を背負わされた少年の戦いを描いた本作は、超能力者&ロボットの戦いでありながら、単純な力のぶつかり合いではなく、策の読み合い・心理的な揺さぶりなどの頭脳戦が繰り広げられる点が大きな魅力といえます。また、物語が後半になると、主人公・マーズの敵が誰なのか分からなくなってくる展開となり、そして多くの少年読者にトラウマを植え付けたラストへと突っ走ります。今までの展開をひっくり返すかのようでいて、よく読むと必然であるこのラストは本当に衝撃的。存亡の危機に曝されたとき人間はどうするのか、道徳とは何か、簡単明瞭にして答えの出ない問題を考えさせられます。

文庫版にしてたった3冊という短い物語ではありますが、その濃度はかなりの読み応えがあり、さすがは大御所の手腕と唸らされます。また、すっきりと見やすく、かつ淡白にならない画面構成のため、誰にでもお勧めできる作品です。


では、内容を見てみましょう。



海底火山の噴火により日本に突如出現した秋の島新島。誰もいない筈のその島に、ひとりの少年がいた。記憶もなく、言葉すら話せない謎の少年は、レントゲンを撮っても頭部が写らない・日本語を異常な速さで習得する等、人間離れした特徴を持っていた。

少年の出現と同時期、ニューヨークでは、6人の男が集まっていた。
少年を「マーズ」と呼ぶ彼らは、マーズが目覚めたことを聞きつけ、彼との接触を図る。記憶を失ったマーズに、自分の正体を思い出させるために。
6人のうちの1人が、秋の島新島の海底に沈む巨大ロボット・タイタンのもとにマーズを案内し、このタイタンと、さらに地下に眠るロボット・ガイアーに関する真実を告げる。

「おまえが目覚めると同時に このタイタンも行動を開始する
 いうなれば偵察機のようなものさ
 そしてデータをガイアーに送る
 そのデータが安全と出ればガイアーは海底に眠り続ける
 危険と出れば動き始める
 この下にガイアーが眠っている タイタンのデータをキャッチしながらな」

「それで このガイアーが動き出せば なにが起こるんだ!?」

「呼応して世界に散らばる六体の神像が動き出し 地球は滅ぶ!!」


つまり、タイタンは「人間が危険な存在かどうか」を図る装置であり、タイタンが人間の攻撃で破壊され「人間は宇宙侵略をしかねないほど危険」と判明した場合、ガイアーが地球を滅ぼすということ。そして、その判断装置たるタイタンの起動トリガーがこのマーズ少年であり、ガイアーを操れるのもマーズだけ、そしてマーズが死んだ場合も自動的にガイアーが地球を滅ぼすことになっているのであった。6人の男は、地球を監視するために地球に潜んでいる宇宙人で、マーズも彼らの仲間であると言われ、身に覚えのないマーズは困惑する。彼は自分が何者であるのかも分からないまま、地球の命運を握る存在となってしまった。

しかし、マーズにとって、身元不明の自分の面倒を見てくれている病院の院長一家や、自分の第一発見者である新聞記者の新倉などの人間達との触れ合いからは、人間の残忍さや攻撃性を感じることはなかった。そこで、彼は自分の宇宙人としての使命を思い出すための猶予期間を10日間もらうことにする。もしもそれまでに彼がガイアーを使って地球を滅ぼさなければ、「マーズが死ねばガイアーが爆発する」というルールを用いて地球を滅亡させるため、6人の男たちが神体を駆ってマーズを殺すこととなる。

10日間、人類の争いの歴史を学び、考え抜いたマーズであったが、やはり人類を滅ぼす気にはなることができなかった。その選択を知った6人の男たちは、マーズを殺して地球を破壊しようと襲い掛かる。
ここに、人類の存亡を背負った少年の戦いが始まった。

戦いが苛烈を極める中で、マーズが巨大ロボットを操って神体と戦っていることが世間の人々に知られることとなり、彼は政治的・軍事的なキーマンとして監視され、保護されることとなる。それはマーズが死ねば地球が滅ぶ以上、当然の選択であった。
一方で、人間を敵視する神体の攻撃により、一般人にも多くの被害が生じ始める。その結果、マーズが現れてから問題が起こるようになったとして、次第にマーズは疫病神扱いされていく。

さらに、六神体を全て倒しても、自動的にガイアーが爆発してしまうことが判明。
地球は、人類は、滅ぶ以外に道は無いのか?マーズの孤独な戦いは続く。



よく練られた設定に、最後まで読めないエンディング、意外性に富んだ神体のデザインや攻撃方法など、今読んでもなお新しく感じられる傑作です。かなり昔の作品ではあるものの、文庫版であれば比較的入手しやすく、お薦めですよ。
ちなみに「ゴッドマーズ」というタイトルでアニメ化されていますが、内容はほぼ別物ですので、アニメしか知らない方もこの機会に是非。

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